December 02, 2009

 クラフトビールの軽減税率が縮小に

日本でビールに掛けられる酒税はアメリカの10倍ほどにもなるそうです。

具体的には1Lあたり220円となっています。これはキリン、アサヒをはじめとする大手メーカーはもちろんのこと、ベアードビールなどの小規模醸造所にも大しても同じ率が課されています。1兆円を越える売り上げをたたき出す大企業と零細ビールメーカーが同じというのは、税の重みが違ってくるのは言うまでもありません。

やはりそれでは問題ありということで、2003年に租税特別措置法が時限立法で施行され、小規模醸造所に対しては20%の軽減が行われることになりました。これでめでたし、めでたしと思いきや、何度か延長されて来たこの法律も、来年2010年3月で終了することになっています。ここで問題なのは更なる延長が行われるかということです。

そして、今回のバッドニュースです。法律の延長は行われるものの、税金の軽減率が20%→15%に縮小されるとのこと。財務省の政務官は記者会見で「地ビールは新規参入も少なく、特定の業界だけをいつまでも優遇できない」として縮小の必要性を説いたそうです。そもそも、代表的な寡占市場であり、新規参入が極めて難しい業種であるにもかかわらず、それを是正することなく今までやってきたしわ寄せが小規模メーカーに及んでいるわけです。一部メーカーを除いては町工場といっていいほどの事業規模で、旨いビールを作るために日々奮闘されています。それを絶対的な力で押さえつけるようなことだけはして欲しくありません。

今回の件で、酒税の抜本的改革の必要性がますます感じられるようになりました。制度の歪みに苦しめられるのはいつも弱者です。日本に新しい酒文化を広げようとしている人たちの声を、もっと聞き入れて欲しいものです。

投稿者 bitterbit : December 2, 2009 11:41 PM