April 01, 2004

 プライバシーを守るHDDデータの消去法

お使いのPCを処分したり下取りに出す場合、PCに内蔵されたHDDのデータはどうしていますか? フォーマットぐらいでは少々知識があるユーザの手にかかれば、簡単にデータを復旧させられてしまいます。私が過去にジャンクで買ったPCにはフォーマットもせずデータがそのままに残っているものがありました。これはとても無用心です。

情報漏洩防止にもっとも確実な方法は、PCからHDDを取り出してハンマーで完膚なきまでに叩きのめすこと、つまり物理的破壊これしかありません。とはいえ、これでは下取りに出す際にHDDなしでは買取価格に響きますし、また作業する台数が多い場合、必要な労力は馬鹿になりません。

そこで物理的にHDDを破壊せずに、情報の復旧を困難にする方法をご紹介します。

情報の漏洩を防ぐには、HDDのすべての記憶領域にでたらめなデータを繰り返し書き込む方法を用います。そのようなソフトウェアに藤原武さんが開発している「DESTROY」があります。これはDOSのアプリケーションで、DOS起動ディスクから実行します。

用意するもの

なお、「DR DOS/V ディスクイメージ」は非商用目的の利用のみ許可されていますのでご注意ください。

一連の作業には予想外のデータの消失というリスクが常につきまといますので、くれぐれも慎重な作業をお願いします。作業に当たりデータの消失はじめとするあらゆる被害が発生した場合でも、私をはじめ、「DESTROY」作者の藤原武さん、日本DRDOSユーザ会は一切の責任を負いませんので、ご了承ください。

作業の手順

  1. まず「DR DOS/V ディスクイメージ」から起動フロッピー作成する
    作業についてはアーカイブに同梱のドキュメントをよくお読みください
  2. 「DESTROY」のアーカイブを展開し、その中の「DESTROY.COM」を1.で作成した起動フロッピーにコピーします
  3. HDDを消去したいPCに起動フロッピーを入れ、起動します
  4. DR DOSが起動したら「DESTROY.COM」と入力します
  5. 「DESTROY」のメニューが表示されます
  6. 消去したいHDDを選択するために、「N」と入力します
  7. 現在PCに接続されているHDDの一覧が表示されます
  8. ここに表示されるのはディスクの容量になります。これでディスクを判別するようにします(くれぐれも、HDDの選択には細心の注意を!!
  9. Drive 0なら「0」、Drive Aなら「A」と入力します
  10. 「メニュー」という表示の下に現在選択しているドライブが表示されます
  11. 消去の方法を選択します
  12. 0から8までの方法がありますが、数字が大きいほど復旧できる可能性は少なくなります
    しかし、その一方で消去の時間がより必要になります
  13. 方法を選択すると最終確認を求められます
    ここで「Y」と入力すると作業を開始します(「Y」を入力するともう戻れません!!
  14. 消去作業が終了すると作業の記録を保存するかたずねられますので、「Y」と入力します(これは任意です)
  15. メニューに戻ったら、「ESC」キーを押してアプリケーションを終了します
  16. DOSに戻ったらPCの電源を落とします
  17. 作業終了です

PCを手放さなくてはならない時、この方法を思い出していただければ個人情報漏洩のリスクを最小限にできるのではないかと思います。最後にしつこいようですが、作業をするときは慎重にお願いします。

投稿者 bitterbit : April 1, 2004 10:35 PM